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すべての子どもたちの幸せのために〜ワクチンで子どもたちの命を守る〜

毎年3月1日から3月7日は「子ども予防接種週間」になります。「子ども予防接種週間」は、4月の入園・入学に備えて、保護者を始めとした地域住民の予防接種に対する関心を高めることによって、予防接種率の向上を図ることを目的として毎年実施されています。

最近、新型コロナウイルス感染症の世界的流行の影響などにより、子どもに対する予防接種率は過去30年間で初めて大きな後退を見せました、とユニセフの基幹報告書「世界子供白書2023」では述べられています。その原因として、紛争や避難民の増加とともに、「ワクチン躊躇(Vaccine Hesitancy)」の脅威についても述べられています。

「ワクチン躊躇」とは、ワクチン接種をためらったり拒否したりすることを意味する言葉です。今日では、ワクチンを躊躇する気持ちが引き起こす誤情報や偽情報と相まって、世界中で予防接種の普及が後退する大きな一因になっていると記載されています。

2019年から2021年にかけて、6,700万人の子どもたちが定期的な予防接種を完全に、または部分的に受けられず、そのうち4,800万人が完全に受けられなかったとユニセフは推定しています。命を守るワクチンが受けられない子どもたちは、ポリオや麻疹など予防可能な感染症の危険にさらされてしまいます。2022年の麻疹の発生件数は前年比2倍以上、ポリオによって身体に麻痺を生じた子どもの数は前年比で16%増加しました。2019年から2021年までの3年間をその直前の3年間と比較すると、ポリオによって麻痺を生じた子どもの数は8倍に増加しています。

子どもへの予防接種は、子どもの権利です。諸事情で子どもへ予防接種を行えないことは、「到達可能な最高水準の健康を享受すること並びに病気の治療、および、健康の回復のための便宜を与えられること」という子どもの権利を損ないます。

接種可能な予防接種をしっかり受けること。予防可能な病気から子どもたちの命を守ること。子どもたちに不必要な死と苦しみから防ぐこと。母子手帳でお子さんの予防接種歴を確認し、接種できる予防接種がないか今一度確認していただける機会にしていただきたいと願います。