園・学校の先生方へ園・学校の先生方へ

登園(登校)届けについて

(※登園許可証、完治証明、治癒証明、医師の意見書と呼ばれるもの)

平成24年の学校保健安全法施行規則の一部改正により、登校基準(出席停止期間)の見直しが行われ、インフルエンザ、おたふくかぜ、百日咳、咽頭結膜熱など、診断した時点で保護者の方に登園(登校)可能日を明確に伝えることができる病気が多くなりました。

このことから、宮崎県小児科医会では、

  • 1)元気になった子どもの不要な医療機関への受診をなくす
    (子どもが新たな病気にかかるリスクを減らすだけでなく、保護者の時間と経済的節約にもなります)
  • 2)不要な受診による医療費の無駄遣い(ひいては保険料の値上がりに繋がります)を防ぐ

という意味においても、インフルエンザ、おたふくかぜ、百日咳、咽頭結膜熱について、再診した上で発行する医師による登園・登校許可証(完治証明、治癒証明、医師の意見書と呼ばれるもの)は発行しない方針を取ることといたします。

どうしても幼稚園や学校でこれらの病気の回復を確認するための文書が必要な場合は、診断した時点(初診)で医療機関が発行し、保護者の方が出席停止期間の基準を満たしたことを確認・記入して幼稚園や学校に提出する様式(以下の登園(校)届けサンプル参照)を関係医療機関に配布いたしておりますので、必要性について、まずは園医や学校医にご相談ください。

ただし、医師が必要と判断する場合のみ発行するものであり、医療機関が一律に発行するものではありません。

なお、病気の回復を確認するため、再診が望ましい病気は、麻しん、水痘、結核、Vero毒素産生性腸管出血性大腸菌感染症、流行性角結膜炎、急性出血性結膜炎。また、頻度はかなり低くなりますが、第一種感染症と、髄膜炎菌性髄膜炎、細菌性赤痢、腸チフス、パラチフスです。

迅速検査について

必要のない検査は行いません。

【保育所、幼稚園、小・中学校の関係者の皆様へお願い】

ある病気が流行した際に「検査をしてもらいなさい」との指示ではなく、「○○が流行しているので受診してください」と伝えてくださると助かります。

子どもたちは様々な訴えや症状で私たちの医療機関を受診されますが、そんな中で「学校(園)の先生から検査を受けるようにと指示されたので受診した」という方がしばしば来院されます。子どもたちの病状を心配していただき、保護者に受診を勧めていただくことは大変にありがたいことですが、「検査をしてもらうように」という指示は、ときには「検査をしないと登校(園)ができない」という誤解を保護者に与えることがあります。また本来は検査の必要のない子どもが無理に受診し、かえって感染のリスクを増やすなど、残念な結果になることもあります。

検査は、日常的な病気を診断するうえで、絶対に必要というものではありません。特に迅速診断検査は、100%正しい結果がでるものではなく、偽陰性(本当はその病気なのに検査で違うとでること)や偽陽性(本当はその病気と違うのに検査ではその病気だとでること)を示すことがあります。例えばインフルエンザの場合でも、検査結果の如何にかかわらず、周囲の流行状況や発熱からの経過、臨床症状から総合的に判断しています。

また、RSウイルス迅速検査は外来では1歳未満の乳児のみ、ノロウイルス検査は小児では3歳未満の方のみが健康保険での検査が認められています。それ以外の方は自費の検査となりますので、それでも検査を希望された場合、診察料も含め誰が費用を負担するのかという問題も出てきます。周囲への感染性のリスクは検査結果ではなく、臨床症状から判断されます。

そもそも検査をするかしないかは、医学的な根拠のもとに医師が判断し、家族と合意した時に実施するものです。保護者には、信頼している園や学校などの先生からの「検査指示」には特別な意味がありますが、実は、医療現場を混乱させていることにご留意ください。「検査は医師と相談し、必要があれば受けてください」と言っていただけると、大変ありがたく思います。