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子ども予防接種週間:MRワクチン接種率低下、忘れられた感染症:麻疹・風疹

3月1日から3月7日は、「子ども予防接種週間」で、保護者を始めとした地域住民の予防接種に対する関心を高め、予防接種率の向上を図ることを目的としています。

今、一番に話題にあげたいのは、就学前の子ども達を対象としたMRワクチン(はしかと風疹のワクチン)の接種率が低下しているということです。厚生労働省によりますと、小学校入学前に行う2回目接種の昨年度の全国平均の接種率は92.4%であり過去10年間で最も低くなっておりました。宮崎県における昨年度の2回目MRワクチン接種率もここ5年でもっとも低い93.2%でした。

はしかや風疹を予防する「MRワクチン」は、公費で接種できる「定期接種」として、1歳以上2歳未満のときに1回目、小学校入学前の5歳以上7歳未満(年長)の時に2回目を実施することになっています。

はしかは感染力が非常に強い感染症で、重症化すると死亡したり、後遺症として極めて重い脳炎・脳症が起きたりすることがあります。

また、風疹は軽症のことが多いですが、妊娠中の女性が感染すると、胎児に感染し、難聴や心臓の病気になる「先天性風疹症候群」の子どもが生まれてくる可能性が高まります。

「90%台の接種率」と聞くと高く感じるかもしれませんが、毎年数万人の子どもが未接種となり、流行を引き起こすきっかけになります。社会全体で95%以上の接種率が必要と言われています。

「このままでは、新たな流行につながる恐れがあり、忘れず接種してほしい」これが私たち小児科医の願いです。

公費でワクチンを接種するには、決められた期間があり、1回目は2歳の誕生日の前日まで、2回目は小学校に入学する前の3月末までとなっています。対象となっている人は、忘れずに接種して欲しい。

最後に、本年度の4月から12月までの間における宮崎県のMR第2期(年長時接種)接種率は71.1%であり、昨年の同時期の接種率72.8%を下回っています。この「子ども予防接種週間」に今一度MRワクチン接種の意義を確認し一人でも多くの年長時がMRワクチン接種を行なっていただきたいと考えます。