会員コラム会員コラム

会員コラム:川柳にはまっています のだ小児科医院 野田 隆

サラリーマン川柳、シルバー川柳、など昨今は川柳ブームのようです。なぜ川柳が巷で人気があるのでしょう。

NHKのラジオで、ボヤキ川柳というのがあります。言いたいことを正面から言えないときに、横を向いて当事者に聞こえないようにぼやく、それも直接的ではなく間接的に言ってうさをはらす。それも川柳の利点ではないでしょうか?

また、正直に言うと恥ずかしいことを川柳で間接的にいう。まともに言うと馬鹿らしいことも川柳では言えます。よく考えると不思議な事でも、よくある事、いわゆる”あるある川柳“も川柳のカバー範囲でしょう。

『おぼしきこと言は(わ)ぬは腹ふくるるわざなり』、心に思ったことを言わないでいると腹が張るという徒然草の19段に出てくる吉田兼好の言葉です。腹囲の気になる野田は、ダイエットの一環として川柳を始めました。

私のペンネームは座高一です。座高は内臓機能と関連があるかもしれないという徴兵上の理由で測定されていたようですが、今は関連がないことが分かり座高測定がありません。座高測定のようにくだらないこと・役に立たないことを言いますよ、という意味と座頭市のように世相をズバッと切ってみたいという大それた意味もあります。

まずはボヤキ編。

「急患」

急患は 急ぐ患者の 意味ですか(月刊保団連Drのつぶやき川柳平成29年度秀句賞)

「時間外」

子どもより 親がビョーキの 時間外

小児救急の現場でよくある事ですが、ぼやいて憂さを晴らしています。子供に罪があるわけではないのですから。

次は恥ずかしい編

「美人」

治したい 治したくない 美人かな

「職業病」

小児科医 赤ちゃん言葉 出てしまう(平成30年8月号)

「誤嚥」

呑み込みの 下手さ加減も 親に似て(平成30年5月号)

あるある編

まだ「月刊保団連」に掲載されていない句ですが、

字幕でも 音量上げる 韓国ドラマ

相撲見て 肩こりするの 年のせい

座頭市(世相を切る)編

「自由題」

一面と 三面の差が わかりません(平成30年6月号)

「自由題」

記録には 記憶にはない 事実あり(平成30年7月号)

 

ジョークに解説は不要なのですが、もし理解できなかったら不出来な句ですから忘れて下さい。

最近の心境は

夏バテよ 夏ヤセつれて やってこい

です。

 

あまりのくだらなさに十分ひんやりされたでしょうか?