会員コラム:たばこの吸えない喫茶店 いわみ小児科医院 岩見 晶臣
我が家のとなりに喫茶店があります。喫茶店というよりは洋食屋さんといった感じのお店で、ボリュームの多い食事と、たくさんのコミック本があり、昼食時、夕食時と若者や家族連れでにぎわっています。私もたまに昼食を食べに出かけます。多くの喫茶店がそうであるように、食後の一服でくつろいでいる人たちも居て、座る場所が悪いと、たばこの煙が流れてきて、がっかりすることがありました。
ところが数年前から、喫煙席と禁煙席が区別されるようになり、やがて、店内がすべて禁煙になりました。店のご主人が禁煙を始めたので、お店も禁煙にしたという風にも聞いています。
食後にコミック本を見ながら煙草を吸うお客さんが多いお店なので、お客さんが減るのではないかと、いらぬ心配をしておりました。
店内禁煙になってしばらくして、昼食を食べに行ったら、店内のたばこ臭がまったくなくなり、大変気持ちよく食事ができました。お店の従業員さんに聞いてみると禁煙にしてもお客さんは、減っていないとのこと。若い女性の従業員さんたちも、職場環境が良くなり、うれしそうでした。
東京オリンピックに向けて(実際はオリンピックとは関係ないと思うのですが)飲食店内禁煙化を目指した健康増進法の改正が議論されています。現在のままだとほとんど骨抜きになってしまうのがとても残念です。店内禁煙化しても売り上げが減少しないという報告がありますし、子どもを含めた非喫煙者と、従業員の受動喫煙が防げますし、経営者にも大いにメリットがあるということを飲食店業界の人たちにもわかってほしいものです。