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会員コラム:小児科外来の今昔 ほうしやま子どもクリニック 宝珠山厚生

 開業して23年、馬車馬の如く夜間休日も対応してきた時期は思い出したくもないものです。小児科外来も予防接種の種類も増えて感染症もかなり変化しました。今の若い先生は麻疹のコプリック班を診たことがないかもしれませんね。

 私が医師になった頃には3ケ月未満の高熱の児は髄液検査までしましたし、Hib・肺炎球菌の細菌性髄膜炎の児はかなり多かったです。

 また冬場のロタウイルスの嘔吐下痢は、本当に辛そうで小さな子にも点滴までしていました。現在は気管支喘息・鼻炎・乾燥性皮膚炎などのアレルギー疾患が毎年増加し外来の主体です。気候の変化に伴い夏は冷房、冬は暖房と閉鎖空間、食事の変化、ペットブームと、これからもアレルギー疾患は増えるため、生活環境なども含めて原因対策を平行しないと厳しいと思われます。

 アレルギーの採血を行えば、各種具体的に説明し、PFAS・OASやラテックス・フルーツsyn.なども枝葉をつけての説明も大事と考えます。

 一方、国の方針で事務的な電子化も毎年進んでいますが、災害の多い日本、完全電子化はどんなもんでしょうか?個人的には不安がありますし、後継ぎのいない高齢の先生のクリニックは閉院も考えている話も聞かれます。

 いろんな方針決定が少々一方的に行われているように思うのは自分だけでしょうか?