会員コラム:小児の夜間救急が大変? たかむら小児クリニック 髙村一志
宮崎県には何名の小児科医がいるのでしょうか。このHPに掲載されている小児科の医療機関は県北8、県央38、県西14、県南6で県全体では66医療機関です。宮崎大学や県病院などの病院には複数の小児科医がいますが、それでも県内で働いている小児科医は100名前後です。県内では3カ所の急病センターがありますが、そこで働いている小児科医は全てこれらの医療機関に含まれる先生方です。地元の小児科医だけではとてもまかないきれないので、宮崎大学の小児科医にも参加してもらっています。しかし大学の小児科医も約20名ほどなので、大学も含めて4カ所の当直を行うことは大変です。つまり医療資源としては底をついている状態です。小児科医の多い県央地区の宮崎市夜間急病センター小児科でも小児科医の高齢化により、深夜の診察が今後できなくなるかも知れないという危惧があります。この事は今年(平成29年)1月の宮崎日日新聞の1面で掲載されましたので、心配されている方も多いと思います。この件に関して、今年度から宮崎市、宮崎県、医師会、大学小児科、県立宮崎病院で話し合いが始まります。私たち小児科医の頑張りだけでは解決できない問題ですが、知恵を出し合って何とか県央地区の小児救急医療体制を維持したいと考えています。
などと堅苦しい話になってしまいましたが、私たち小児科医は大変だけどできるだけ救急医療を続けますよという話でした。なんといっても救急医療は小児科医のアイデンティティーなのです。これからも頑張ります。