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会員コラム:注射の痛みは減らせる?! ちさか小児科 横山 晃子

 

寒い季節となり、インフルエンザ予防接種を受ける人が増えてきました。

注射の痛みは大人も子供もストレスに感じますが、そのために受診そのものが嫌い・怖いというイメージが出来上がって、診察室に入るなり大泣きしたり逃げ出したりするお子さんをしばしばお見掛けします。

今回は、注射の痛みを和らげる方法を紹介してみたいと思います。

・『心の準備をする』

かなり大事です。「何をされるか分からない」不安を取り除いてあげましょう。注射前に「今日は注射じゃないよ」、「痛くないよ」というのは良くありません。注射が必要なことを年齢なりにでも理解してもらいたいので、いつも声を聞いているお母さんやお父さんから話してもらうと特に安心すると思います。

ちなみに、院内待合室や街角で、「言うことを聞かないと病院で大きい注射打ってもらうよ」と怒る風景に遭遇することがありますが、ますます恐怖が膨れ上がるのでお薦めできません・・・。

・『気を紛らわせる』

注射の時に楽しいことを考える、乳幼児では声かけやおもちゃなどで気をそらしましょう。ただし、抱っこしながら揺らしたりトントンと叩いてあやしたりは注射の手元が狂うことがあるので、主治医の指示に従ってください。

・『リラックスする』

緊張して体がこわばることがないほうが良いです。乳幼児ではお子さんが安定する姿勢で包み込むように抱っこしてあげましょう。

・『注射をスムーズに』

皮膚をつまんだり引っ張ったりしてピンと張った状態で針の抜き差しをしたほうが、経験上痛くないように思います。腕が動くと針先も動いて痛みが増すかもしれないので、腕をしっかり固定することがあります。

また、薬液は素早く注入しても痛みは軽減されないようです。普通の速度でスムーズに注射を終了させるのがよいでしょう。

そのほかの方法も紹介します。何れも今後検討する余地のあるものですので、必ず主治医と相談してください。

事前に注射部位を擦ったり押さえたりする方法は、海外で補助器具として製品化されています。以前この方法を試した患者さんから、少し痛みが和らいだかもという意見を聞いたことがあります。

乳児でショ糖水を口に含ませる方法は、もともと新生児の痛みケアに用いられていますが予防接種での痛み緩和の報告もあります。

また、痛み止めの外用薬を皮膚表面に塗る方法もあります。ただし予防接種では保険適応はなく副作用の問題などもあるので、使用時は本人とご家族の十分な理解が必要です。

いかがでしょうか?

注射や採血などはお子さんの健康管理や治療方針決定に必要な医療行為ですが、どうしても「痛み」が伴います。かつて赤ちゃんは痛みを感じにくいと考えられていた時代がありましたが、近年、小さいお子さんほど痛みに敏感あり、入院中の新生児では痛み刺激の繰り返しによる発達への影響が懸念されるなど、考え方が変化してきています。

ご家族と医療従事者で協力して「我慢してね」の一歩先の痛み配慮も工夫できるといいなと思います。