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会員コラム:春になって思ふこと 山内小児科医院 山内 良澄

甘酸っぱい匂いを漂わせていたわが家の満開の梅の花も散り、次は桜の開花を待つ頃となりました。インフルエンザの大流行もそろそろ終わりかけているようです。今年は例年の約2倍位の罹患数でインフルエンザワクチンの不足も問題になりました。当院では熱性痙攣の患者は数名いましたが、幸いインフルエンザ脳症はいませんでした。毎年国内ではインフルエンザ脳症は年間120~130例の報告となっていますが、宮崎県ではどうだったのか少し気になっています。

私が開業した35年位前は毎年麻疹の流行が悩みでしたが、ワクチンの普及で最近はほとんどみられなくなりました。なかにはワクチン反対派のDr.が本を書いているとも聞きますが、ワクチンの有効性は確かなものです。

ところで、3月半ば以降になると桜の花が我々の心を癒してくれますが、ここ都城市では母智丘、石山観音、上米公園、都原町などが桜の名所です。

私は最近休日になると曽於市のマインドロードをウォーキングすることが多くなりました。一番の目的は運動ですが、まわりの景色が実にすばらしいのです。

マインドロードは旧志布志線が遊歩道となりランニングやウォーキング、サイクリング等を楽しむ人達が行き来しています。私は自家用車で30分かけて轟木まで行き、そこから岩北の約3.3㎞を往復しています。ここの桜も実にきれいですが、ほとんど森の中で空気がきれいでフィトンチッドを吸って森林浴をしている気分になります。夏になるとさわやかな匂いのするシナの木の花が咲き乱れ、この匂いをかぐのも楽しみになっています。また、野ウサギやタヌキ、イタチ、ヘビを見ることもあります。春夏秋冬のこの森の景色が実に心を癒してくれるのは確かなことです。

最近、小児科医として一番心配しているのは少子化です。このことを何とかしないと年金も出なくなり、また国も発展せず、小児科医の未来も明るいものとは言えません。

心に移りゆくよしなし事をそこはかとなく書いてみました。

今年もよろしくお願いします。